8000年前、世界の生態系の中で人類がまだほんの一握りの役割しか果たしていなかった頃には、陸地の5分の2を樹木が覆っていた。それ以来人間は、その数をずっと増やしつづけていくと同時に、食物に日を通したり、暖を取ったり、作物を栽培したり、船の底板を張ったり、家屋の骨組みを作ったり、紙を作ったりするために、森林をドンドン伐採していった。火や鋸(のこぎり)や斧が、元々あった森林地帯のおよそ半分をいまや刈りとってしまったので、あと数十年以内に残存している自然林も全て消滅してしまう事になるだろうと警告している専門家も中に入るぐらいである。
しかし、森林は重要である。この惑星の膨大な数の多様な生物が森林(ほとんどが熱帯林)を住みかとしているが、この多様性は樹木が倒れていくにつれて、減少していっている。健全な森林は分水流域を保護し、綺麗な飲み水を作り出すものだし、また、大気中から二酸化炭素を取り除きそうする事で、気候の維持に役立つものなのだ。森林が価値があるのは、単にそれらが生態系や産業に役立つためだけでなく、秩序や美観のためでもあるのである。
幸いにも、20世紀は世界の森林の「偉大な復興」の開始を目の当たりにしている。効率化を図る農業従事者や林業従事者は、これまでに無い程より狭い面積の土地でより多くの食料や繊維品を栽培する事によって森林地帯を損なわない事を学び始めている。一方、金属、プラスチック、電気の使用が増加して、木材の必要性は弱まってきた。それに、リサイクルによって、紙にパルプ化される生木の量が削減されてきた。人口の規模や富は爆発的に増加してきたが、これだけのかずの人々に食料や暖や住居を与えるために使用される農地や森林地帯の面積は縮小しつつあるのである。徐々にではあるが、樹木はその自由の地に戻ることができるのである。
□人間が知恵の実を食べてしまった時から木の運命は決まってしまったのかもしれない。科学技術が発達した現在でもまだ人間の使用消費量のほうが上まっているのが現状である。技術の進化により昔よりも効率は上がってきた。しかしそれはここ何百年でみた結果であり、人類が誕生して木を使用していたときよりは、人類は爆発的な規模で増えていき木材の消費量も大きくなっているのである。もし技術の進化が木の成長より木材消費量が下がったとしたら理想であるが…もし、人間が木と同じ機能を持った人工物を作ってしまったらどうなるであろうか?その時はたして木の運命がどうなるか…。私は朝起きたら暖かいお茶を飲みながら緑の山や美味しい空気…季節の変化を感じたいのである。起きたら人工物であったら・・どうなってしまうのであろう。生きる気はなくなってしまうだろう。もし植物の機能をもった機械を作れたとしたらどこか無生物の惑星にでも使ってください。とただ未来の人々にお願いしたい。